映画「ドント・ルック・アップ(2021)」を観た:自らの滅亡を予言されて平気な顔をしている世界人類が怖い!!!

 映画「ドント・ルック・アップ(2021)」を観たので備忘のために感想を書く。

 

Don't Look Up | Netflix Media Center

 

作品メモ

ドント・ルック・アップ 2021年12月24日配信 145分 Netflix

家のテレビと寝る前のスマホで何回かに分けて観た

さえない天文学者ランドール・ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)と教え子の大学院生ケイト(ジェニファー・ローレンス)は、あるとき地球衝突の恐れがある彗星(すいせい)の存在に気付く。二人はオーリアン大統領(メリル・ストリープ)とその息子であるジェイソン補佐官(ジョナ・ヒル)と対面したり、陽気な司会者ブリー(ケイト・ブランシェット)のテレビ番組に出演したりするなどして、迫りくる危機を世界中の人々に訴えようと奮闘する。しかし二人の熱意は空回りし、予期せぬ方向に進んでいく。

movies.yahoo.co.jp

 

観た理由

アカデミー賞作品賞ノミネートの予想サイトを眺めていて、そのなかで最も食指が動いた作品だったから。

 

感想

 僕がこの作品を見て、頭に浮かんだのは藤子・F・不二雄の短編「大予言」であった。話は映画から逸れるが、「大予言」の内容を書く。タロット占いで有名だった先生がノイローゼで5年近く引きこもっている。曰く恐ろしい大予言をしたのだとか。弟子が先生のもとを訪ねるが、何を怖がっているのか問う。先生は「世界中のみんなが知ってるくせに!」と言いつつ、新聞の切り抜きを見せる。エネルギー危機、環境汚染問題、災害、人口爆発、核拡散…。ポカンとする弟子に対して、先生は言う。自らの滅亡を予言されて平気な顔をしている世界人類が怖い、もはや孫の世代には予言してあげる未来もないのだ、と。

 

 上記の作品「大予言」が描かれたのは1976年である。僕は現在アラサーなので、当時の孫世代あるいはひ孫世代にあたる。ひ孫世代の世の中はどうなったのか。50年前から認識されている問題に対して、世界人類はどのように立ち向かうようになったのか。それを描いたのが、本映画の「ドント・ルック・アップ」である。

 とある天文学者とその生徒である大学院生が、彗星に地球衝突の恐れがあること気づく。その危険性を世の中に訴えようとするが、自己保身しか考えないアメリカ大統領からは足蹴にされ、テレビではマジメに取り扱ってもらえず、SNSではネットミームとして消費される始末。中間選挙に負けそうになった大統領が支持率のために迎撃作戦を採ろうとするが、彗星にレアアースがあることに気づいたIT企業が現れて…。というような、そこにある危機にどう対処するか、というSFブラックコメディである。

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ネットミーム化の瞬間だけど、ネットミームはおもろい

 ちなみに、レオナルドディカプリオが出ている映画を観たのは本作が初めてである。子どものころから知っている俳優が出ている映画を観れて、映画好きの端くれにようやく立てた気がしている。また、第一線で働き続けるのはすごいことだなあと思った。

 閑話休題藤子・F・不二雄が警鐘を鳴らした50年後、世界はもっと悪くなっていた。真実なんてものは存在せず、それぞれの個人がどう思うかしかない。個人の数だけ真実の数はあり、見たいものだけを見て信じたいものだけを見る時代へ変貌した。インターネットとSNSの発達の結果、50年後の時代はポスト真実の時代へ変貌したのである。先月に「スマホ脳」という本を読んだが、スマホSNSのせいでも人類は緩やかに退化しているような気もする。ku-pon-pgpg.hatenablog.com

 

 彗星を人類滅亡をもたらす凶星とみるか、資源をもたらす人類への福音とみるか。客観的にながめているだけであれば、この映画のように笑えるものになるのだけれど、その世界の帰結は悲劇的である。この映画と同じ世界に僕たちは生きている。信じるものごとはしっかりと吟味しないと、この世界も悲劇的な結末を迎えてしまう、そう思わせてくれた映画である。

 前半はなかなかに笑えるし面白いのだが、後半あたりからはいい意味で「・・・」となってきて、これは現実世界なのでは?に思いを馳せてしまった。物語が終わりに向かっていくにつれて、言葉を失ってしまうのでなかなかに心に残った。

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彗星へのドローンアタックだったりのSF描写すき

 ところどころのドローンやロケットのメカガジェット描写やおまけシーンなど、ところどころのSF描写が心に残った。この映画のせいで、SF的なエンタメを求めるようになり、ブックオフにてSF小説をたくさん買った。再来週にはホライゾンの続編も出るし、SFよりのエンタメも楽しんでいきたい。広く浅くだと有機的に好みが動いていくのでよい。

 と、いうようなエンタメに逃避するだけでなく、現実の世界にも目を向ける必要がある、と痛感したポンタヌフであった。