映画「モービウス(2022)」を観た:シンプル・イズ・ベスト!!王道のヒーロー誕生譚であるが、だがそれがいい!

 公開延期されすぎてここ1年くらい劇場で必ずと言っていいほど幕間の予告編が流れていたモービウスをついに観たのでネタバレありで感想を書く。

 

f:id:ku_pon_pgpg:20220402201403p:plain


作品メモ

モービウス(原題:MORBIUS) 2022年4月1日 104分 ソニーピクチャーズ

近所のデカ映画館で観た、観たあと友人とばったり遭遇した

ノーベル賞に輝くほどの頭脳を誇り、数多くの患者の命を救ってきた医師マイケル・モービウス(ジャレッド・レトー)。しかし、治療法のない血液の難病を幼いころから患っており、身体はやせ細り、松葉杖を使わなくては歩くことさえ難しかった。病が命をむしばんでいくと感じた彼は、コウモリから採取した血清を投与するという治療に懸けてみることに。その結果、病気は回復するが、超音波を発して周囲の状況を感知する能力や飛行能力を手にすると同時に、血液を激しく欲するようになってしまう。

movies.yahoo.co.jp

 

観た理由

・MUCキッズなのアメコミ映画は必見と決めているので。

 

感想

一言:シンプル・イズ・ベスト!!王道のヒーロー誕生譚であるが、だがそれがいい

 …というふうに思った。最近は英語にかぶれているので、批評サイトのRotten Tomatoes のスコアを鑑賞前に観るようにしている。2022年4月2日夜現在の数字は以下のような感じ。僕が視聴前に観たときは、批評家メーターの数字しかなく、「お、おう」となった。だが↑に書いたようにフツーにおもしろかった。エンタメは数値化されるべきものじゃない、と改めて思った次第。

f:id:ku_pon_pgpg:20220402202044p:plain

見事に腐ってた

 映画の展開はシンプルだ。「主人公のこれまでの人生→力を得る出来事→力を試す→似たようなヴィラン誕生→ヴィランと戦う→ヒーローとして目覚め」という王道中の王道を行くストーリーラインである。ただ、映画全体にただよう雰囲気は、いわゆるフツーのヒーロー映画のそれではない。これまでのヒーロー映画にはない魅力を3つくらい感じた。

 1つ目は、マイケル・モービウスそのひと自身が魅力的であることだ。能力を得る前からヴァンパイアなのでは?という風貌。その見た目に反した、絶対に血液病の治療法を見つけるという意思の力。そしてその意思の根源は親友との約束というヒロイズム。魅力的である。一言で表すと、陰気なヒーローである。

f:id:ku_pon_pgpg:20220403064248p:plain

もはやこの能力取得前時点で怪人モービウスである

 2つ目は、能力を使うときの視覚効果がメチャクチャ気持ちいい。スーパーパワーを使い、高速移動をするときはモーションブラーがかかった感じとでもいうのか、すごく見ていてキモチよい。エロケーションを使う場面では、気流の流れや空気の振動が視覚的にわかりやすく表現されており、これらは観ていてわかりやすく気持ちいい大発明だと感じた。そのおかげか、ヴィランである親友とのヴァンパイア・バトルは手に汗握るものとなっている。

 3つ目は、ニューヨークとの親和性だ。街中でのモービウスやヴィランであるマイロの溶け込み方や、それぞれの起こした事件の報道のされ方が、都市伝説という雰囲気がある。21世紀の現代にヴァンパイアがあらわれたらこのように報じられるのかな、という現実味があり、うまく言葉にするのが難しいがとてもよかったです。

f:id:ku_pon_pgpg:20220403064916p:plain

移動するだけでカッコいい怪人モービウス。手から糸を出して移動するのがダサく思える

 上記に書いたような要素があり、王道のヒーロー誕生譚ではあるが、これまでの映画とは異なるような雰囲気を感じながら楽しむことができた。ぼくは最近のMCUフランチャイズの大規模化に少し辟易していたところもあったので、新しいダークヒーローが誕生する単独作品として、とても面白く観ることができた。

 ただ気になったのは、予告詐欺である。スパイダーマンのポスターやマイケル・キートン演じるヴァルチャーが出てきており、ファンダムを興奮させて予告編があるが、本編には一切かかわらない。まさに客寄せをしたいがための予告詐欺。これにより期待値が上がりすぎて本来の評価よりも低い評価になっている気がする。デイリービューグルや「I am Venom.」でニオワセくらいでいいのに…。意味不明なポストクレジットシーンも余分じゃないか?

 あと、Horizon社が字幕だとホリゾン社になっていたのが気になった…。英語の教科書がNEW HORIZONだった日本人は多いから、気になるぞ!!!!

f:id:ku_pon_pgpg:20220403065637p:plain

1ミリも触れられない客寄せパンダ予告

 と、コロナ禍による公開延期 と MCU側とソニーの都合に翻弄される悲しき怪人モービウスだが、とても面白い映画でした。