映画「THE BATMAN」を観たので感想をネタバレありで書いていく。
作品メモ
THE BATMAN-ザ・バットマン- 2022年3月11日公開 176分 ワーナーブラザーズ
ちょっと遠いデカ映画館のIMAXで朝イチの回で観た
両親を殺害されたブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)は探偵となり、夜は黒いマスク姿でゴッサム・シティの犯罪者を懲らしめていた。しかし、権力者を標的にした連続殺人事件の犯人として名乗り出たリドラーが、警察やブルースを挑発。そして、政府の陰謀やブルースに関する過去の悪事などが暴かれていく。
観た理由
・アメコミ映画だから。
・劇場でバットマンを観たことがなかったから。
感想
長い!!がゆえに最も奥行のあるバットマン
長い!!3時間は長い!! 10年の集大成である「アベンジャーズ:エンドゲーム」が181分とのことで、それに匹敵する恐ろしく長い映画である。頻尿がちかつ腹痛がちな僕にとって、大腸内視鏡検査なみのトイレ対策を講じて臨まざるを得ない映画であるし、長いので1日のどのタイミングで観るかという調整が必要になり、正直観る前からちょっとストレスを感じた。
これまで映像作品として観たことのあるバットマンは、DCEUシリーズのバットマンだけなので、バットマン単独作を劇場で観るのは初めてである(ダークナイト三部作はちょっと観たかもだけど)。今回のバットマンはちゃんとゴッサムシティに根付き、探偵として働いていて感動した。ゲームのアーカムシリーズのような(アーカムナイトを積んでいるので早くクリアしなくては…)、あるいはアローバース作品のような(結構観たが途中であきらめ気味。クロスオーバーイベントまでたどり着きたい)、ヴィジランテとしての“地に足がついてる感”を感じた。ちゃんと捜査していた3時間の賜物である。
ダークな画と迫力のあるサウンドが多く、劇場で観るべき作品だと思う。悪人に恐怖を与えるシンボルとしてのバットマンがビジュアルからも描かれているし、これまで観てきたバットマンとは違う若手だからこその危うさが戦闘からも感じられる。バットマン最高!!!! スーパーパワーもいいけど、その身で戦うヒーロー最高!!
とはいえ、ノワールものとして毛色が強い。テンションがあがるシーンも常にあるわけではないので、正直ダレる感覚もあった。そのぶん没入感はすごく、最終的にバットマンが行き着くエンドシーンの考えにも非常に共感ができる。“地に足がついてる感”があるがゆえである。結論は長いので人を選ぶというところで、自分は少々ストレスは感じたがハマれたので良かったと思う。
ジョーカーの衝撃は序章に過ぎなかったの件
日本におけるキャッチコピーとして「ジョーカーの衝撃は序章に過ぎなかった」というキャッチコピー。鑑賞前は便乗商法乙と思っていたが、鑑賞後は「ネタバレキャッチコピーやんけ!!」と思った次第。
本作のテーマは、映画「ジョーカー」と同じであった。社会から排除された人々の復讐を描いた作品である。ブルース・ウェインもリドラーも、過去に起きたトラウマの復讐をするために、それぞれバットマンとリドラーという仮面をかぶっている。それぞれ仮面をかぶってやっている行為自体は異なるが、仮面の下の動機はいずれも復讐である。繰り返される「Unmask」という単語が象徴的だった。
ただし、最終的にブルース・ウェインは、リドラーの動機が復讐であり、自分とまったく同じであることに気づく。それをきっかけに表舞台での人命救助をはじめて、ニュースで「コスプレ男がすごく人命救助している」と報じられていて笑った。終盤での恐怖ではなく希望が必要だという気づきは、悪人を暴力で叩きのめす単なるヴィジランテから、社会から排除された人々それ自体を救っていくヒーローとしての目覚めであり、これこそバットマンのヒーローとしてのオリジンを描いていると思った。
今後の作品は、しっかりヒーローとしての歩みが描かれるのだろうと思うので、楽しみである。次回作は2時間くらいでお願いします。自作では陰なるロバートパティンソンが観られないのは残念であるが。。。