夏休みムービー、ついに観てきたぞ!! ということで感想を書いていく。
作品メモ
『ONE PIECE FILM RED』 2022年8月6日公開 115分 谷口悟朗監督
ワンピースをアーロン編までしか読んでいない妻を連れて観た
世界中の人たちに愛される歌手・ウタ。彼女の歌声は別次元と評されるほどだが、その素性は明かされていなかった。そのウタのライブが開催される島に海賊や海軍が集結。その中には何も知らずにライブを楽しみにきたモンキー・D・ルフィら麦わらの一味の姿もあったが、そこでウタがシャンクスの娘だという衝撃の事実が発覚する。
観た理由
・事前に聞いた『新時代』『私は最強』『逆光』ともに全てがよかったから。
・ワンピースが好きだから。(当方のワンピース歴は、中学生のころジャンプを買っていたので大枠のストーリーは知っていた。社会人1年目で精神崩壊しかけたとき、近所のブックオフで90巻くらいまでまとめ買いをして読んだ。いまは103巻まで買っており、考察動画界隈をウロウロしている、わりとワンピース好きと言ってよいと思う。ちなみに帯同してくれた妻は、アーロン編までしから知らなく、ブルックとジンベエを誰だコイツらと言っていた…。)
感想
「逃避」を描いた物語
世界中から愛される歌姫であるウタのライブが開催される。冒頭の『新時代』のフル尺は、映画館の音響とも相まって、かなりの迫力だった。「ウオオッアニメ×音楽ってやっぱすげえ!!映画館すげえ!!」といきなり感動した。これだけで映画代のもとはとれると素直に思った。そこからの『私は最強』と『逆光』で(オイこっちはフル尺ではないのかよ!)、ウタは悪魔の実の能力者であり、さらに海賊嫌いであることが明かされる。(『逆光』の歌詞の「悪党」が麦わらの一味だったとは・・・!)
入場者特典の四十億巻のプロットにもあるとおり、この物語は「逃避」を描いた物語である。ウタは、辛い現実からみんなを逃避させるためにウタウタの実の能力を用いた計画を実施する。あるいは、ウタ自身も、自分自身もつらい過去から逃避するためにこの計画を実施をしているのだ。その「逃避」の手段として用いられているのが、今作では「歌」であり「コンサート」であった。みんなが平等で平和な理想の世界へ逃避できる「エンタメ」の代表として、それを描いている。
最終的には、「現実があるからこそ、エンタメは輝く。その逆もまた然り」というメッセージを受け取ったわけだが、まあそのとおりである。つらい現実があるからこそあの曲は心にしみわたるわけで、あの映画でこぶしを握るわけで、あの漫画で胸が熱くなるわけである。終盤の敵との闘いがエヴァ感を感じたのも、そういう「現実に戻りなさい」的なメッセージでつながりがあったからなのかも?(笑)
上記のようなテーマを2022年の日本で最大級のエンタメの1つである『ONE PIECE』が描いているのが説得力がある。しかも今回は第一線で活躍するミュージシャンも参加しているので、その説得力のひとしおだ。また、現実逃避先ととしてのウタのライブから「エンタメ」だけでなく、いま世間を賑わせている「宗教」と重なるのも脚本の妙である、と感じた。
ワンピースファンとしての感想
シャンクスはハキハキの実の覇気人間!!!(ドンッ!!)と思いました。これまで漫画本編では、左腕を失いつつの「失せろ」しか技を見せていないシャンクス、面目躍如の活躍がみれるかと思ったら、やはり覇気で戦う!(かっこいいけど) 赤髪海賊団のメンツが覇気で活躍しているのも、実の覚醒の結果であるというクソ考察をここに残しておく。
ということはさておき、赤紙海賊団の活躍が大迫力で見れたのは大変よかった。赤紙海賊団×黄猿といえばの黄猿ハンズアップ、ヤソップ×ウソップの共闘シーン、ゾロ×ベンベックマンという副船長枠の共闘、シャンクスのめちゃくちゃ強い覇王色の覇気・・・。ラッキー・ルウがどう戦うんだろう・・・?と楽しみにしていたら肉弾戦車だったのは笑いました。
そして時系列警察に怒られると思うのだが、ラストシーンでついにギア5、ニカを覚醒させるルフィ!! また、シャンクスがゴッドバレー事件のあとにロジャーに拾われたことが発覚!! ウオオオワンピース面白れェ!! というラスト30分くらいでした。最高のエンタメである。
また、エンドロールでは、これまでの本編での登場人物の生活にウタの曲が流れている様子が流れていく。よくわからないけどファンだからなのか、ここでも感涙をした。この作品のメッセージでもあるように、エンタメはつらい生活に寄り添って現実を輝かせるものである、ということを体現しているかのようなエンディングでよかったと思う。
今後ワンピースもそういう作品であってほしいと思うポンタヌフであった。そしてヤマトがはやく麦わらの一味に加入してほしいポンタヌフであった。