この夏に観た『コワすぎ!』シリーズが激熱だった

 『コワすぎ!』シリーズがAmazon Primeで2023年8月から配信が開始された。ブログを230日近く放置していた間、おれは北千住でコイツと出会っていた。なんとこの劇的に記憶に残るビジュアルのこの口裂け女の元ネタが、このシリーズらしい!? ということで『コワすぎ!』シリーズをすべて観たので記録しておく。

北千住駅のマルイは都市伝説展にて

 そこから足掛け1週間弱でシリーズマラソンを完走したので、その記録を残す。

 

結論から申し上げると

 『コワすぎ!』シリーズ、めちゃくちゃ面白かった! 新作も絶対観に行く!! という感想を結論から申し上げる。ホラーモキュメンタリーというジャンルのため、派手な画があまりないという弱点はあれど、逆に言えばVFX映像美過多のこの時代に気楽に観れるシリーズだった。職場の休憩室でかじつくように観ていた。同僚にみられていないことを祈る。

 どのような属性の人間がこのシリーズを楽しめるかということを示すため、参考までに当方の遍歴を記しておく。どちらかというと「ホラー」というよりは、「オカルト」というキーワードのほうで適切な気がする。

 ・学校の怪談シリーズ

 ・昔ビートたけしとかが出てた地上波でやってた(ちょっと胡散臭い)心霊番組

 ・図書館にあるオカルト本(怪談レストランから始まり、なんか変な挿絵のある現代妖怪が紹介されていようなやつ)

 ・2chの洒落怖スレや都市伝説スレ

 ・不安の種みたいな漫画

 …みたいなものが好きであれば、きっとこのシリーズは楽しめるはず! 

『コワすぎ!』シリーズとは?

 そもそも『コワすぎ!』シリーズとは、都市伝説や怪奇現象を取り扱うホラーモキュメンタリーである。レンタルDVD屋のホラーコーナーに並んでいたらしい。あのころの自分はなんか恐ろしいガチモンの呪いのDVDが紛れてるかもしれないということを考えており借りることをしなかったコーナーに並んでいたらしい。惜しいことをした。

 編集プロダクションの工藤D、市川AD、田代カメラマンの3人のキャラクターがとても良く、図書館にあったズッコケ三人組を観てるような気持ちになる。この3人が都市伝説や妖怪などの怪異をとらえるためのドキュメンタリー作品を撮る、という物語を主軸としたストーリーである。

 どのストーリーもリスナーからの投稿映像をもって始まる。子どものころ好きだった「あの頃の心霊番組み」が非常に感じられて幼いながらのワクワクを感じられる。映像の投稿者の話を聞きつつ、その怪異に迫っていく・・・というのが主なストーリーである。

コワすぎ!シリーズの魅力

・低予算だしモキュメンタリーだしそこまで怖くない・・・と驚くなかれちゃんと怖い。FILE1を観たあとは近所の住宅街ですら怖く感じる。ところどころ笑ってしまうようなシーンもあるけれども、ちゃんと怖い。

・登場人物の魅力がすごい。ディレクターの工藤の怪異に対して物理攻撃で立ち向かっていくイカれ具合も好きだし、ADやカメラマンも最初はキャラが薄いと感じていたが徐々にそれぞれの魅力がちゃんと見えてくる。

・シリーズで観るだけの理由がちゃんとあり、伏線がはりめぐらされている!

 そして一番好きなのが、「運命に抗え」という某スパイダーマン映画顔負けのメッセージが作品から伝わってくることだ。「押し付けられたルールで戦うな!ルールは自分で作るんだ!」という少年漫画顔負けの激熱メッセージがこのようなホラーモキュメンタリーから教わるとはビックリしました。そんな激熱メッセージとともに提供されるホラーシリーズが面白くないわけない。

シリーズ短評集

 

 シリーズの1作目が原点にして頂点と評されることがあるが、なんだかんだこのシリーズも1作目が異様に面白かった。ちゃんと前半は怖いし、後半の大捕り物のくだりはちょっと笑ってしまう。観終わったあとに外に出るとゾゾゾという恐怖を感じてしまうこと間違いなし。

 心霊スポットに行った若者集団が呪われてしまい・・・というあるあるストーリーかと思いきや、調査を進めていくと物語はあらぬ方向に進んでいく。幽霊×スピリチュアルという新しい観点での話は面白いし、今後のシリーズにとっても外せない作品。工藤Dの除霊シーンは必見。

 物語がちょっとした呪術廻戦じみてきて笑える作品・・・河童という題材にいまさらコワすぎ!と思う人いるのか・・・?と思いつつも、最後のシーケンスはちゃんと怖いし、すごく胸糞悪さ(日本のホラーにおける誉め言葉)を感じる作品。

 ちょ~面白い!!!!!トイレの花子さんの心霊投稿映像がまさかこんな展開になるなんて!?!?!?という驚きにまみれながら観ていた。どんなに金をかけたVFXよりも良質な脚本がすべてを凌駕すると実感した。

  ついに怪異が主要メンバーに!? という他人事じゃいられない感じが、劇場版の訪れを期待させる内容で非常に興味がひかれる。四谷怪談という誰もが聞いたことのある怪談をこのように現代に再解釈してくれるのは、とても面白い。このあたりから市川ADの身体の張り具合がエグイ。演技もすごい。

 

 

「劇場版」と「最終章」はセットで語らせていただく・・・このシリーズの集大成で、これまでの伏線が一気に回収されていく。そして物語はまさかの展開をみせる・・・(笑) 途中でさすがに日本国内では公開できない!!となった瞬間に英語字幕が付き始めるのはクソ面白い。ぶっとんだ展開だけれども、ちゃんと実際の歴史に足を付けた設定なのに好感がもてる。

 

 そして物語は超コワすぎ!へ・・・。コックリさん(狐)・蛇女ときて、動物的な怪異となっていたので、最終的にはどのような構想があったのかはとても気になるところである。劇場版と最終章を観たあとにこの2作をみると、日常編に戻ってきたような安心感がある・・・。原点回帰しつつも、アツいメッセージと工藤Dの暴力が観れるのがとても安心します。

 

 そして新作へ・・・。楽しみすぎ!面白すぎ! という気持ちをメモするために200日ぶり投稿したポンタヌフであった。