映画「モービウス(2022)」を観た:シンプル・イズ・ベスト!!王道のヒーロー誕生譚であるが、だがそれがいい!

 公開延期されすぎてここ1年くらい劇場で必ずと言っていいほど幕間の予告編が流れていたモービウスをついに観たのでネタバレありで感想を書く。

 

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作品メモ

モービウス(原題:MORBIUS) 2022年4月1日 104分 ソニーピクチャーズ

近所のデカ映画館で観た、観たあと友人とばったり遭遇した

ノーベル賞に輝くほどの頭脳を誇り、数多くの患者の命を救ってきた医師マイケル・モービウス(ジャレッド・レトー)。しかし、治療法のない血液の難病を幼いころから患っており、身体はやせ細り、松葉杖を使わなくては歩くことさえ難しかった。病が命をむしばんでいくと感じた彼は、コウモリから採取した血清を投与するという治療に懸けてみることに。その結果、病気は回復するが、超音波を発して周囲の状況を感知する能力や飛行能力を手にすると同時に、血液を激しく欲するようになってしまう。

movies.yahoo.co.jp

 

観た理由

・MUCキッズなのアメコミ映画は必見と決めているので。

 

感想

一言:シンプル・イズ・ベスト!!王道のヒーロー誕生譚であるが、だがそれがいい

 …というふうに思った。最近は英語にかぶれているので、批評サイトのRotten Tomatoes のスコアを鑑賞前に観るようにしている。2022年4月2日夜現在の数字は以下のような感じ。僕が視聴前に観たときは、批評家メーターの数字しかなく、「お、おう」となった。だが↑に書いたようにフツーにおもしろかった。エンタメは数値化されるべきものじゃない、と改めて思った次第。

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見事に腐ってた

 映画の展開はシンプルだ。「主人公のこれまでの人生→力を得る出来事→力を試す→似たようなヴィラン誕生→ヴィランと戦う→ヒーローとして目覚め」という王道中の王道を行くストーリーラインである。ただ、映画全体にただよう雰囲気は、いわゆるフツーのヒーロー映画のそれではない。これまでのヒーロー映画にはない魅力を3つくらい感じた。

 1つ目は、マイケル・モービウスそのひと自身が魅力的であることだ。能力を得る前からヴァンパイアなのでは?という風貌。その見た目に反した、絶対に血液病の治療法を見つけるという意思の力。そしてその意思の根源は親友との約束というヒロイズム。魅力的である。一言で表すと、陰気なヒーローである。

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もはやこの能力取得前時点で怪人モービウスである

 2つ目は、能力を使うときの視覚効果がメチャクチャ気持ちいい。スーパーパワーを使い、高速移動をするときはモーションブラーがかかった感じとでもいうのか、すごく見ていてキモチよい。エロケーションを使う場面では、気流の流れや空気の振動が視覚的にわかりやすく表現されており、これらは観ていてわかりやすく気持ちいい大発明だと感じた。そのおかげか、ヴィランである親友とのヴァンパイア・バトルは手に汗握るものとなっている。

 3つ目は、ニューヨークとの親和性だ。街中でのモービウスやヴィランであるマイロの溶け込み方や、それぞれの起こした事件の報道のされ方が、都市伝説という雰囲気がある。21世紀の現代にヴァンパイアがあらわれたらこのように報じられるのかな、という現実味があり、うまく言葉にするのが難しいがとてもよかったです。

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移動するだけでカッコいい怪人モービウス。手から糸を出して移動するのがダサく思える

 上記に書いたような要素があり、王道のヒーロー誕生譚ではあるが、これまでの映画とは異なるような雰囲気を感じながら楽しむことができた。ぼくは最近のMCUフランチャイズの大規模化に少し辟易していたところもあったので、新しいダークヒーローが誕生する単独作品として、とても面白く観ることができた。

 ただ気になったのは、予告詐欺である。スパイダーマンのポスターやマイケル・キートン演じるヴァルチャーが出てきており、ファンダムを興奮させて予告編があるが、本編には一切かかわらない。まさに客寄せをしたいがための予告詐欺。これにより期待値が上がりすぎて本来の評価よりも低い評価になっている気がする。デイリービューグルや「I am Venom.」でニオワセくらいでいいのに…。意味不明なポストクレジットシーンも余分じゃないか?

 あと、Horizon社が字幕だとホリゾン社になっていたのが気になった…。英語の教科書がNEW HORIZONだった日本人は多いから、気になるぞ!!!!

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1ミリも触れられない客寄せパンダ予告

 と、コロナ禍による公開延期 と MCU側とソニーの都合に翻弄される悲しき怪人モービウスだが、とても面白い映画でした。

2022年4月2日(土)の日記:年度初めに思うこと

2022年4月2日(土)の日記

 2021年3月が終わった。年度末が忙しいのはいつもどおりの職場であったが、4月からの異動内示が出たため、引継対応などもあり例年と比べてかなり忙しかった。加えて、プライベートでは諸々の事情により引っ越すこととなり、目が回るような忙しさであった。なんとか、乗り切ったような気がする。

 ブログという媒体で日常を記録することは良いことだ。「何となく忙しかったな~」で終わっていたが、ブログ投稿数を見ればその忙しさの指標になる。観たエンタメの記録を目的に2022年1月から本ブログを始めた。ブログ投稿数は以下のとおりである。ブログ投稿数を月日数で割り、投稿数を算出する。小数点以下は切り上げである。

 

 1月:17記事/31日(55%)

 2月:15記事/28日(54%)

 3月:8記事/31日(26%)

 

 ということでブログ投稿率が半分くらいになっているので、日々の趣味に割く時間が半分くらいになっていたことがわかる。3月はあまり元気が無かったように自分でも思うが、こうして客観的に定量的に観ると無理もないよなと思う。たしかに月の残業時間は、いつもの2倍くらいになっていたので、なんとなく計算は合う、気がする。

 ということで、いつも月末に来月の楽しみをまとめたりその月の振り返りをしていたのだが、できなかった。なので、4月の楽しみが可視化できていないので、来週以降の本格的な新しい仕事にとても不安になっている。改めてブログというか、楽しかったことや楽しみにしていることを脳の外に置くアウトプットで大事なんだと実感した。まもなく30を迎えるが、まだまだ学ぶべきことは多い。

 アウトプットの手段としてはてなブログを選んだ。思えば小学生のころからブログみたいなことにチャレンジしては1週間くらいで廃墟にしていたが、人生史上最も続いているブログになった。記事に対してリアクション頂ける機会も増えたことが要因だと思う。承認欲求が満たされるSNSはスゲー発明なんだと改めて思うとともに、弊ブログを読んでくれる人サンキューと思っています。ちなみにこれまでのブログで記憶に残っているのは、「ブッ壊れカミサマ」とかいうタイトルで日々の授業と部活の愚痴をつづった中二病を具現化したようなブログ。ネットの藻屑と散ったことを祈る。

 年度初めで意識が高いので、こつこつと今年度もブログを更新していこうと改めて決意をしたので、記しておく。と、いいつつ更新が途絶える可能性もあるが…。そのときは、ほかに夢中になれることを見つけたということにしておく。ということで、つらい日々を少しでも楽しくするライフハックとして、本ブログは空母ポンタヌフの集積地として更新していくこととする。

 

以上

 

映画「アンビュランス(2022)」を観た:観るGTA5

 映画アンビュランスを観たので感想を書く。

 

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作品メモ

アンビュランス(原題:AMBULANCE) 2022年3月25日公開 136分 ユニバーサルピクチャーズ

近所のデカ映画館で見た

妻の手術費を用意するため、元軍人のウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世)が血のつながらない兄ダニー(ジェイク・ギレンホール)に相談すると、3,200万ドルを奪う銀行強盗を提案される。襲撃当日、犯行は当初のもくろみ通りにいかず、警察に追われる事態になってしまう。追い詰められた二人は逃走用に救急車をジャックするが、そこにはウィルに撃たれて瀕死(ひんし)の警察官と、救命士キャム(エイサ・ゴンサレス)が乗り合わせていた。

movies.yahoo.co.jp

 

観た理由

・マイケルベイの映画を観たことがなかったから。

・劇場版予告編の迫力がすごかったので。

 

感想

 これは、観るGTA5だ!!!!

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次世代機版もやりたい

 GTAオンラインお馴染みの銀行強盗にはじまる。バれずに強盗を完遂できるか…?というドキドキは5分くらいで終わり、そのあとはゲームさながらの銃撃戦である。けたたましく鳴り響くサイレンと集まってくる警官隊はさながら手配度★3の状況である。そこからは救急車に乗り込んでの白熱のカーチェイスがはじまるわけだが、気づいたらヘリも投入されるなど手配度★5の様相だ。ゲームではチートコードを打ち込まないと生き残れない状況になるが、本作でも旧知のLAマフィアの力を借りて警察を巻くというまさにチートというべき力業に出るが…。という感じで、観るGTA5であった。

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こういうクラッシュシーン10回くらいあったぞ・・・

 体感20分くらいだろうか、導入のシーケンスが終わってからは、本当にノンストップで銃撃戦とカーチェイスをしているだけである。2時間近くカーチェイスをしているだけである。高速ドローンで撮影したと思われるド迫力のカメラワークと随所に差し込まれる激突と爆発で、飽きない。急車にとらわれた人質と犯人での密室ドラマもなかなかそわそわする。救急車のなかでのフザけた会話もGTAっぽくてステキであった。

 よくよく考えてみると、金を借りに行っただけなのに銀行強盗をしていたり、自分が銃撃した警察官を助けようとして「良い人」ぶっていたり、一度は縁が切れたのにかかわらず兄弟愛が強すぎないか? みたいなことはあるのだけれど、そんなことどうでもよくなるくらいの牽引力のあるスゲー映画だった。映画館で見てよかった。いい意味でうるさかった。前の席のお爺さんが空気の振動でぶるぶるしてた。

 新参映画ファンなので、マイケルベイ監督の映画は初めて観たと思うが、脳を空っぽにして楽しめる非常に良い作品だった。また旧作もあさっていきたい。また、ジェイクギレンホールの演技が響く。最初は小物感があったものの、得体の知れない悪党を演じていたと思う。

 

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 おもしろかった!!!

Netflixで「トーク・サバイバー!」を観たので感想を書く。ドラマ×バラエティという新しい発明にドはまりした

 

 Netflixで「トークサバイバー!」を観た。

『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』

 バラエティ番組の趨勢は、ここ数年で大きく変わった気がする。ぼくが子どものころは、テレビが主流だった。その頃の人気番組を思い返してみると、エンタの神様笑いの金メダル、イロモネアなど、いろいろな芸人がネタを披露する番組が多かったように考える。いまはお笑いのネタを披露するよりも、アメトーク水曜日のダウンタウンなど、決まった型のなかで芸人が活躍する番組が人気な気がする。単に、年齢を重ねただけか? さらに、2年くらい前から芸人を含む芸能人がYoutubeに進出をした。自分が好きな芸人のチャンネルを直接観るというスタイル。芸人もやりたいことができ、ファンも自分の好きな芸人を観れるWin-Winスタイルか確立した。

 そんななかで、本作のような、ストリーミングサービスにおけるオリジナルお笑い番組が提供できる付加価値は何なのか考える。それは、尺の長さである。テレビやYoutubeでは、視聴率や再生回数を考えて、ハイライトシーンを編集して流している。ストリーミングサービスでは尺を気にする必要がないので、芸人間のやりとりをそのまま流すことができる特徴がある。したがって、どこかアドリブや即興が多く含まれる企画のほうが、そこから生まれる笑いを楽しめる。また、芸人同士の関係性もうかがい知ることができ、いち一般人としてはそこにも面白さを感じる。

 とはいえ、尺の長さを成立させるには、前提が必要である。それは企画自体の面白さはもちろん、どれだけ次の話を観たいかという2点であると考える。たとえば、パイオニアであるAmazon Primeのドキュメンタルは「誰が優勝するか?」という点において視聴者に訴求している。今回の「トーク・サバイバー!」は、つまらなかったら降板していくスタイルでの従来の「誰が優勝するか?誰が最後まで残るか?」という点に加え、ドラマパートの面白さによって視聴者を最後まで観るように誘導する。バラエティパートとドラマパート、どちらもクオリティとしては非常に高いもので、片方が足を引っ張っているということはない。

 そもそも企画自体も面白い。「面白いエピソードトークを話した人が勝ち」というよくあるルールであるが、ドラマの延長線上でやってることが面白い。それぞれの役割を壊してはいけないという独特の緊張感から来る“笑ってはいけない”感や、ドラマであることを逆手に取ったメタ的な笑いが新しい(序盤の飯尾や後半の大悟の話はスゲーおもしろかった)。こういうストリーミングサービスの企画は、最終的に下ネタや身内ネタが多くなりがちであるが(まあ、ドキュメンタルのことを言っている)、ドラマパートのおかげなのか、そういったものは比較的少なかったように思う。別に下ネタや身内ネタは笑えるけれど、お笑いの才能がある人々にはふつうの話で笑わせてほしいと思っていたので、この仕組みはスゴイ発明だと思った。

 ドラマパートも、最初はコントの延長戦なんだろうと思っていたけれど、最終的には普通に見入ってしまった。もちろん、笑える部分もあるけれど。というか、芸人がマジメに演技しているというその一点においてもすでに面白いような気もする。終盤のほうの伏線回収ラッシュは、良質なドラマを観た感じがある。バラエティ×ドラマがここまで面白いとは…。佐久間Pは天才的な発明をしてしまったのだ。

  バラエティ×ドラマという新しい発明をネットフリックスの製作力で番組するとスゴイものができてるぞ!!!! 明日以降の活力をもらえたいい番組であった。

 ↓に1番好きなくだりを貼り付けておく。

 

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アニメ「オッドタクシー(2021)」を観た:ほんわかどうぶつアニメだと思ったらゴリゴリのサスペンスだった件

 そういえばアニメオッドタクシーを観終わっていたので、ネタバレありで感想を書いておく。

 

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作品メモ

オッドタクシー 2021年4月~6月放送 P.I.C.S.OLM Team Yoshioka制作

平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。
身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。
趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。
一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。
彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。

バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、
いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス
街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…
何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。

oddtaxi.jp

 

観た理由

・4月に映画がやるらしいので。

・夕食のおともにちょうどいい長さだったので。

 

感想

 ほんわかどうぶつアニメだと思って前知識なしで観てみたら、まさかの本格的なミステリーサスペンスドラマでした。火曜サスペンス劇場って、こういうものなのかな? と思った。映画でしか観たことがなかったのだけれど、シーズンもので観るミステリーサスペンスの面白さを知りました。毎回1つずつ謎に近づいていく感覚は、なかなかに映画では味わえないものであった。

 あと、主人公のセイウチである小戸川の声優が鬼滅の刃の炭治郎と同じ声優だと途中で知った。声全然違うじゃん! 声優ってスゲー。早口のシーンはやや炭治郎の気配がしたが、全然別物だった。声優ってスゲー。

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 「いろいろな場所で起こった個別の出来事が最終的に交錯する」という物語が好きなんだけれど、この作品はまさにドンピシャであった。タクシードライバーとして乗せたお客さんが毎週変わって…みたいな一話完結型オムニバス作品的なものを想像していた。ところがふたを開けてみれば、お客さんも出てくれば友達も出てくればラジオの向こうの芸人も出てくればと、まさに群像劇ミステリーサスペンス。出てくるキャラクターも動物なので、場面転換してもどの場面かすぐわかる。群像劇ならではの話についていけない、というデメリットがなく、ある種発明だな~と思った。

 最終的には、作中で起きた事件に対する謎解きだけでなく、この世界に動物しかいない理由まで明かされていく。見た目をほんわかどうぶつアニメにしたのは、単なる客寄せ用にキャッチーするためではなく、ちゃんと理由があることに「よくできてるな~」 と感動した。あと、いっしょに観ていた妻が3話目くらいでこの謎に対しての考察をしていたのだけれど、それがまさに正解で「!?」となった。ミステリーサスペンスは一緒に観た人と語りあい予想しあう楽しみ方もあるのね…と学びになった。

 映画予習用に観たのだが、だいぶアニメで満足してしまった。というより、ここまでの内容をアニメでやって映画では何をするんだ? というのが正直なキモチ。だいぶと謎は明かされてもう語られるべきことはほぼ無いし…。アニメは楽しめたのだが、映画に対しては、アニメの総集編になってしまわないかとやや不安が増してしまったのは事実。

 とはいえ、作品としては文句なしの名作!!観てよかった。

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サウナともだちほしい

 

テレビでVAUNDYのライブを観てキモチよくなった

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 一言感想:ちゃんと受信料払っててよかった。

 3/20にNHK総合でシブヤノオト最終回としてVAUNDYがテレビでライブをやっていたので観た。土曜日は外出しており疲労困憊でリアルタイムで見逃したが、翌朝にNHKプラスで観た。高いサブスクサービスだと思って受信料強制徴収には腹を立てていたが、払っていてよかった。

 私のVAUNDYのファン度合いを記載しておく。Spotifyでどうでもいい事中に最近の曲を聴き流しているという不良リーマンである。聴き心地のよい曲が流れたときに、ふとアーティスト名を確認するとVAUNDYと表示されており「へ~」と思ったくらいである。あとはトヨタカローラのCMを観て「良いCMソングじゃん」と思ったらVAUNDYだったくらいである。

 今回の番組で、初めてまじまじと聞いた。音楽は小学校の音楽委員会で鉄琴をやったきりなので全く造詣がないが、おお…と衝撃を受けたので感想を書いていく。

1.東京フラッシュ

・遠くに聞こえるベースのベンベンベーンという音がキモチいい。あとドラムビートというのかわかんないけど、低い音がキモチいい。サビに入るときのギターのチャカチャカチャカもキモチいい。

・Bメロの静かになったりうるさくなったりする塩梅がキモチいい。決して盛り上がるわけじゃないけど、なんかずっと一緒にいるよう恋人のような安心感がある。

2.不可幸力

・「知っている曲調じゃねえ!!」と驚いた曲。イントロで唯一知ってる洋楽であるレッドホットチリペッパーズのダニーカリフォルニアを思い出す。デスノートの映画による刷り込みである。小学生のおれの脳には刻まれていたようだ。

・序盤のAメロとようなラップの部分を聴いていろいろな声を出せるタイプであることを知った。ラップの後の「わからぁないよぉ~」というやる気のない歌い方がキモチいい。

3.踊り子

・とぅるるる~とぅるるるッとぅるる~のリピートがキモチいい曲。あと前半のベースのベンヘンベンベンベンベンベン゛ンベンがキモチいい曲。自分がベース音が好きなことが判明した。

・小松奈菜ってことを知ってる。このPVを意識したダンサーが出てくる演出で、視覚的に楽しめた曲だった。まあよく考えると曲名も踊り子だからそりゃそうか。

 

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4.裸の勇者

・楽器的なキモチよさというより、歌い方のキモチよさがスゴイ。1番耳がキモチいいポイントは、サビへの入りである。ラスサビへの入りの、「闇を塞いでしまう前にぃ 愛して しまったあ゛あ゛あ゛あ゛全部全部ぅぅぅぅ」はキモチよすぎて草生える。

・王様ランキングは1話2話をライン漫画でしか見てないけど、原作に寄り添った曲であることはわかり好感。アニメも観ようかな。

5.しわあわせ

・なんか刺さらなかった曲。歌いだしの「僕の時価総額400円」の意味が気になって集中できなかった。心臓の脈拍が1秒に1回は脈打つと思うから、1拍10円弱くらいか…?とかいろいろ考えているうちに曲終わってた。

・ほかの曲と比べてチョーキモチいい!!という部分がないけれど、普通にいい曲。ただしほかの曲が素晴らしすぎてハードルを上げすぎてしまった。

6.怪獣の花唄

・サビがキモチいいという王道の歌である。「も゛っどォ↑↑さぁわげ怪獣のうゥ~~たァ~~↑」がキモチいい。低い声から高い声までいってる。

・あと曲の構成とか曲調とかも他の曲と比べてシンプル?なので、歌詞が聞き取りやすいのだが、その歌詞がすごい良い。なんかすごい寂しさというか過去への憧憬的なものがイメージされるうた。

7.tokimeki

・楽器も歌声もリズムも曲調もすべてが鼓膜を通じて脳内麻薬を分泌させる電子ドラッグ的な楽曲。なんかわかんないけど好きなものに接してるときのキモチという感じがする。

・ダンサーが出てきて楽しそうに歌う映像込みでみると網膜を通じてもキモチよくなることができた。

 

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ということで、VAUNDY最高!!!大学卒業がんばれ!!

まだNHKプラスで観れるらしいのでぜひ。

 

映画「私ときどきレッサーパンダ(2022)」を観た:誰もが経験のある期待やステレオタイプの押し付けに抗うハートフルな物語

 私ときどきレッサーパンダを観たので感想を書いていく。

 

TURNING RED-私ときどきレッサーパンダ【オンラインで見ます 2022 完全版】 - Visual Studio Marketplace

 

作品メモ

私ときどきレッサーパンダ 2022年3月11日配信 100分 Disney+

家で家事しながら観た

伝統を重んじる家庭に生まれ、両親を敬い、親の期待に応えようと頑張るティーンエイジャーの少女メイ。母親の前ではいつもマジメで頑張り屋でいる彼女だったが、本当は流行りの音楽やアイドルも大好きで、恋をしたり、友達とハメをはずして遊んだり、やりたいこともたくさんある。母親の前で本当の自分を隠す日々を送るメイは、本当の自分がわからなくなり、感情をコントロールすることができなくなってしまう。悩んだまま眠りについた彼女は、翌朝目を覚ますと、なんとレッサーパンダになっていた。突然のことに驚くメイ。しかし、その変身の裏にはある秘密があった。

eiga.com

観た理由

レッサーパンダ可愛かったから。

ピクサーの新作が配信限定ということで、観やすかったから。

感想

 ピクサーのアニメーションってすげえ!!! と感動した。ピクサー作品を観るのはいつぶりが改めて確認したところ、16年前に公開された2006年の「カーズ」以来であった。レッサーパンダの毛並みの表現がすごい。次世代機ゲームでも多少粗は目立ってしまうに、動き回るキャラクターで緻密な描写を実現するアニメーション技術の進歩に感動した。ジェネレーションギャップというか、時代に取り残された男のファーストインプレッションはこんなところにしておく。

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かわいいしモフモフしてる。ただ作中によればちょっと臭いらしい

 ストーリーは、親からの理想像に自分を合わせるため、自分自身が本当にやりたいことを抑圧する13歳の少女が主人公のお話である。同じアイドルを推す友達とカラオケにもいきたいしライブにも行きたいし恋もしたいけれど、親からは優等生である自分が期待されているため本当の姿は出すことができずにいた。とある出来事で、自分を抑圧することと親への不満が限界を感じた翌朝、主人公はレッサーパンダになってしまった!! というお話である。

 軽妙なかたちでストーリーは進んでいくので気持ちよく見れるし、しっかりと映像としても迫力のある見せ場もあり、100分でさくっと楽しめるエンタメムービーだと感じた。誰かから期待される自分と本当の自分のギャップに悩むことは、家庭であれ会社であれ学校であれネットであれ起こりうることなので、テーマとしてもみんなが共感できるものだと考える。

 これを観ていろいろ思い出した場面はある。小学生のとき、血液型占いがいっときブームになったことである。ぼくはA型だったが、「几帳面でマジメで整理整頓が好き」であるべきはずの血液型であるのに机の中やランドセルのなかが汚かった。自分は本当にA型なのだろうか? 僕は本当はA型でないのでは? 両親は二人ともA型なのに…ということは…? というチープなアイデンティティークライシスを起こしかけ、いろいろ調べた結果、メンデルの法則に詳しくなり高校生物のセンターテストの遺伝の範囲は満点だった。

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バレたくないものがバレたときの描写。。。めちゃわかる。。。

 また、社会人になったときは営業職に配属されたわけだが、「営業であれば明るくおしゃべり好きで飲み会好きでしょ!!」みたいなステレオタイプで見られるのを感じた。知らないひとはなるべく話したくないし、できることなら家の中で自分の好きなことをしたいし、飲み会は終わった後失った金と時間を数えて空しくなる場だと思っていたが、努めて明るめに過ごしていた。途中でしんどくなってきて仕事も身についてきたので、給与をもらっている勤務時間中は努めて明るく務めるも勤務終了後はいろいろ断て家に帰るようにしたところで、パンデミックによって飲み会文化は瀕死となった。

 作品の前半の描写は教育虐待やモラハラに近いような気がするが、そのテーマを扱うにはあまりにも軽妙な語り口なので期待やステレオタイプ押し付けにあらがうお話だと理解をした。最後のアベンジャーズアッセンブル的なシーンは観てて興奮した。

 この映画を観たあとは、以下の曲を思い出して聴いてた。ひさびさに聴いたけど、いい曲だった。欅坂を辞めたあとの平手のソロ曲を聴いたけどバキバキに踊ってて楽しそうで良かったと思った。

 

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