そういえばアニメオッドタクシーを観終わっていたので、ネタバレありで感想を書いておく。
作品メモ
オッドタクシー 2021年4月~6月放送 P.I.C.S.、OLM Team Yoshioka制作
平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。
身寄りはなく、他人とあまり関わらない、少し偏屈で無口な変わり者。
趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。
一応、友人と呼べるのはかかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生、柿花ぐらい。
彼が運ぶのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、
いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、
街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス…
何でも無いはずの人々の会話は、やがて失踪した1人の少女へと繋がっていく。
観た理由
・4月に映画がやるらしいので。
・夕食のおともにちょうどいい長さだったので。
感想
ほんわかどうぶつアニメだと思って前知識なしで観てみたら、まさかの本格的なミステリーサスペンスドラマでした。火曜サスペンス劇場って、こういうものなのかな? と思った。映画でしか観たことがなかったのだけれど、シーズンもので観るミステリーサスペンスの面白さを知りました。毎回1つずつ謎に近づいていく感覚は、なかなかに映画では味わえないものであった。
あと、主人公のセイウチである小戸川の声優が鬼滅の刃の炭治郎と同じ声優だと途中で知った。声全然違うじゃん! 声優ってスゲー。早口のシーンはやや炭治郎の気配がしたが、全然別物だった。声優ってスゲー。
「いろいろな場所で起こった個別の出来事が最終的に交錯する」という物語が好きなんだけれど、この作品はまさにドンピシャであった。タクシードライバーとして乗せたお客さんが毎週変わって…みたいな一話完結型オムニバス作品的なものを想像していた。ところがふたを開けてみれば、お客さんも出てくれば友達も出てくればラジオの向こうの芸人も出てくればと、まさに群像劇ミステリーサスペンス。出てくるキャラクターも動物なので、場面転換してもどの場面かすぐわかる。群像劇ならではの話についていけない、というデメリットがなく、ある種発明だな~と思った。
最終的には、作中で起きた事件に対する謎解きだけでなく、この世界に動物しかいない理由まで明かされていく。見た目をほんわかどうぶつアニメにしたのは、単なる客寄せ用にキャッチーするためではなく、ちゃんと理由があることに「よくできてるな~」 と感動した。あと、いっしょに観ていた妻が3話目くらいでこの謎に対しての考察をしていたのだけれど、それがまさに正解で「!?」となった。ミステリーサスペンスは一緒に観た人と語りあい予想しあう楽しみ方もあるのね…と学びになった。
映画予習用に観たのだが、だいぶアニメで満足してしまった。というより、ここまでの内容をアニメでやって映画では何をするんだ? というのが正直なキモチ。だいぶと謎は明かされてもう語られるべきことはほぼ無いし…。アニメは楽しめたのだが、映画に対しては、アニメの総集編になってしまわないかとやや不安が増してしまったのは事実。
とはいえ、作品としては文句なしの名作!!観てよかった。