映画「牛首村(2022)」を観た:恐怖の村シリーズ最高傑作!!

 コロナ感染後の復帰戦として、「牛首村」を観たので備忘のために感想を書いていく。久々の村シリーズである。

 

 

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作品メモ

牛首村 2022年2月18日公開 115分 東映

近所のデカ映画館の朝イチの会で観た

東京に暮らす女子高生の雨宮奏音(Koki,)は、心霊動画に映る自分にそっくりの女子高生を見つける。その少女は牛の首のマスクを強引に付けさせられ、廃虚に閉じ込められようとしていた。胸騒ぎを覚えた奏音は、動画が撮影された坪野鉱泉へ向かい、「牛首村」と呼ばれる村に残る風習の存在に凍りつく。

movies.yahoo.co.jp

観た理由

・モチーフが地元だから。

・和製ホラー映画を映画館で観た記憶が貞子vs伽椰子以来だったから。

 

感想

 犬鳴村、樹海村と続いてきた恐怖の村シリーズの3作品目であるが、今回の牛首村が最も面白かった!! 最初の2作品は途中からリアリティーラインが下がりファンタジーの世界に突入していき「う~ん」となった。そのあたりの感想は過去記事を張り付けておく。今回の牛首村は現実と地続きの世界だと感じることができた。

ku-pon-pgpg.hatenablog.com

 

 その一旦を担うのが主演のkokiの演技である。初めての演技とは思えない完成っぷりである。さすが日本の大スターキムタクの血筋である。メインキャストの萩原利久の軽薄な感じもスキ。

 ホラー演出もぞわぞわするもので攻めてくる。窓に映る姿が動いていたり遠くに見えてはいけないものが見えたりなど、じわじわ日常が侵食されていく感じがイイ。iPhone音声認識機能の演出は、ちょっと笑った。ホラー演出が起きる前に依り代のGoogle検索結果が機械音声流れる。ということは、呪いの力で聞こえない声で「Hey Siri、依り代の意味は?」と訊ねていることを想像して草が生えた。ホラーとコメディは紙一重である。

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こういうのが多くてヨカッタです

 とはいえ、これは恐怖の村シリーズ、期待を裏切らず終盤には呪いによる領域展開!! が発動する。時空を超える主人公一行は、古き風習が残る時代の牛首村に辿り着く。そこで牛首キッズの突撃攻撃や分裂村人アタックをくぐり抜けるシーンがあるものの、これまでのストーリーの積み重ねから自然な表現に思えた。文章にすると突拍子もない内容なのだけれども。

 恐怖の村シリーズを3作品を観て、やはり描いているのは「忘れ去られた者」に対する視点である。今回の呪いの発端は、昭和初期ごろまで続いたとある風習が原因であった。過去の悲劇は忘れ去られ、もう覚えている者も殆どいない。忘れ去られた苦しみや悲しみはどこにいけばいいのか? ということを呪いとして描いているが、恐怖の村シリーズだということで理解している。毎回やっていることは大体同じだが、大切なテーマである。

 毎回やっていることは大体同じということで、例によってYoutuberの配信から物語が始まる。配信コメント欄に樹海村のジーニーやピル男やド腐れゾンビ(このハンドルネーム好き!!)といったメンツが健在だったので良かった。また、夜行バスのシーンで犬鳴村の少年っぽいのも出てきていた。村シリーズ5周年で呪い祭りをぜひやってほしい。

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何回作中で死んでも必ず生きかえる配信者

 作中での繰り返される「ひとりでいるのはさみしいから」という言葉は、決して呪いの言葉ではなく、救いの言葉になりうると思うポンタヌフであった。